スズメバチに刺された時は慌てず慎重に応急処置を!




これからスズメバチの活動が活発になります。
それにつれてハチ達は巣を守るために緊張状態に入るため、外部に対して攻撃的になります。

この時季には遠足や山登りなどでハチに刺されたというニュースを目にすることも多く感じます。

最近は街なかに巣を作ることもあるので、散歩中、知らずに巣に近づいてスズメバチに刺されてしまう可能性も、ないとはいえません。

前もって知っておくことで、万が一の時にも慌てずに行動できるように、スズメバチに刺された時の応急処置をまとめました。

 

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【スズメバチに刺されてしまった時は、とにかく慎重に避難】

 

巣が近くにある場合、周りには仲間のハチがいる確率が高いです。

ハチの攻撃が始まり、実際に刺されてしまうと、他のハチが毒液のニオイ(攻撃フェロモン)に触発されて集団からの攻撃を受けることになってしまいます。

もし刺されてしまったら、他のスズメバチに刺されないように慎重にその場から避難します。

避難する時は、走ったり、大声を上げたりせず、静かにかつ、素早く立ち去るようにします。

刺されたらパニックでそれどころではなくなると思いますが、ハチを刺激しないように慎重に行動します。

できれば屋内に逃げ込めれば安心ですが、近くに逃げ込めそうな建物がない場合は、巣からできるだけ遠く離れます。

 

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【ハチ毒アレルギー症状の兆候が出ていないか確認する】

 

スズメバチに刺される恐ろしさは「ハチ毒アレルギー(アナフィラキシーショック)」による重い全身症状にあります。

意識が朦朧としたり、呼吸困難、血圧の低下などがみられたらショック症状の兆候です。

ハチの種類や刺された場所、多さ、体質によってもその症状は変わります。

 

■ 局所症状(普通の症状)

  • 刺された所がズキズキと激しく痛む
  • 刺された所が赤く腫れ上がる
  • 人によっては気分が悪くなったり、吐き気がしたりする

 

■ 全身症状(重い症状)

  • 全身にじんましんがでる
  • 腹痛がして下痢や嘔吐をする
  • めまい、けいれん、耳鳴り
  • 息苦しくなる、呼吸困難、しびれ、口の渇き
  • 血圧が下がる、脈拍が弱くなる、脈拍数が増える
  • 意識障害が起こる
  • 意識を失う

 

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【ショック症状の兆候が見られた場合は一刻も早く医療機関へ】

 

上記のような全身症状が数分から10分ほどの間に出た場合は、一刻も早く医療機関で治療を受けなければなりません。

スズメバチに刺されて亡くなる場合は、刺されてから30分から1時間以内に容態が急変することが多いそうです。

刺されたところ以外に少しでもじんましんが出てきたり、胸の締め付け感や呼吸がしづらくなどの症状が出たら、一刻を争うのでとにかくすぐに救急車を要請したり、周りの人に助けを求めます。

直接の死因として多いのは気道(のど)が浮腫むことによる窒息です。場合によっては気道の確保や人口呼吸などの応急処置が必要になります。

 

【安全な場所に移動できたら、すぐに応急処置を】

 

安全な場所に避難できたら、体を仰向けに横たえて、足を高くします。

吐気がする場合は嘔吐物で窒息しないように顔を横に向けます。

ショック症状が出た場合、もしくは気分が悪くなった場合もすぐに救急車を呼ぶか、近ければ医療機関を受診します。

 

毒がまわるのを遅らせるための応急処置

 

● 毒を取り除く

毒針は、ガムテープの粘着面を軽くあてて慎重に抜き取ります。カードのような物がある場合は毒針を払うようにしてもいいそうです。

ついやりがちですが、指で摘んで取ると、針の先についた袋から毒を押し出すことになり危険なので注意してください。

毒針を取り除いたら、体内に取り込まれる毒をできるだけ少なくするため、刺された傷口の周りをつまんで血と一緒に毒を絞り出し、流水で流します。

口の中の状態(傷や虫歯、歯周病)から毒が入る可能性があるので、毒を口で吸い出さないでください。

この時に市販されている器具(ポイズンリムーバー)があるとうまく毒を吸い出せます。心配な方や必要な方は持っておくと安心ですね。

 

● 傷口を冷やす

毒のまわりを遅らせるために、腫れや痛みがあるところを氷のうや保冷剤などでよく冷やします。

 

● あれば薬を使う

もし持っているなら、腫れや痛みがひどい箇所に抗ヒスタミン剤含有ステロイド軟膏を塗ります。(ムヒアルファEXなど)

昔からよく聞く「ハチに刺されたらアンモニアや尿」ですが、スズメバチの毒は中性に近いため、アルカリ性であるアンモニアでは中和できないどころか、腫れの進行や感染などの被害につながるそうです。

 

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【スズメバチに2回以上刺されると命にかかわるのか】

 

1度ハチに刺されるとハチの毒に対する抗体が作られ、2度目に刺された時に抗体がアレルギー反応を起こすことからそう言われているのではないかと思います。

これは個人の体質にもよりますが、ほとんどの人は刺される回数が多くなっても命にかかわることはないそうです。

ただ、過去に何回も刺されたことがあったり、反対に1度刺されただけでもハチ毒アレルギー体質になる場合もあるそうなので、はっきりとしたことはいえません。

ハチ毒アレルギー体質の人は、ハチの毒が体の中に入る(刺される)回数が増えるにつれて反応が強くなるといわれていますので、1度刺されたら注意する必要があります。

ハチ毒アレルギーを持っているか心配な方は、花粉症や皮膚アレルギーの検査を受ける時に希望で追加ができるようですので相談してみてください。

 

【おわりに】

 

どこを刺されても痛いし怖いんですが、首から上(首周り、顔、頭)を刺された時は特に危険です。

すぐ近くに脳や延髄があるので毒のまわりが早いと大変ですよね・・・毛細血管も多いし。

ハチに刺された時に受診するのは「皮膚科」が一般的のようです。すぐに病院へ!と慌てても「何科なの?」と我に返りそうです。

お子さんが刺された場合は「小児科」を受診してもいいようです。

救急車を要請した場合はどこに受診すればいいのか悩むことはありませんが、自力で病院へ行く時はまず「皮膚科」ですね。

 

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